『2025年はここまで下落する』とか、『この水準で買えばOK』と言っているわけではありません。『リスクオフ要因が起こった場合どれくらい変動するか』、『米ドルが買われているのか、日本円が売られているのか、その両方なのか』 といった事を自分の頭で考えて整理して、今後のトレンドを予め想定して準備しておくための水準把握だと思ってください。「いつボラが高まるか」は分からないケド、「いつかボラが高まる」ことは確実です。
米ドル/円超長期チャート
1985.09 | プラザ合意前 | 1$=235円 |
2011.10 | 東日本大震災後 | 1$=75円 |
2020.03 | コロナショック後 | 1$=101円 |
ばけっと投資では、外国為替の水準確認は米ドル/円で確認していきます。世界の基軸通貨は米ドルであり、コア戦略を取っている全世界株式も、サテライト戦略の米国高配当株も米国債券ETFも、ビットコインも主に米ドル建て計算による影響が大きいからです。超長期チャートから確認できるように、外国為替は右肩上がりの指数とは異なります。
まず基準となるのが1985年9月のプラザ合意前の水準1米ドル235円です。変動相場制に移行後、このプラザ合意による主要国による協調介入によってドル安方向に是正されていきました。ドル円レートがいちばん円高に振れたのが2011年10月の東の本大震災後の1米ドル75.3円です。直近で大きく円高に振れていたのが2020年3月のコロナショック後の1米ドル101.18円です。このころまでは「リスクオフの円買い」と呼ばれていましたが、最近ではロシア-ウクライナ戦争や米中貿易対立などが起こっても円安が止まりません。
為替を動かす要因はたくさんあるのですが、最近注目されているのが①インフレ率と日米金利差、②貿易収支と経常収支、③人口減やイノベーション欠如による国力の低下です。主たる要因が何なのか特定することが出来ていませんが、今の日本は外部要因で起こったインフレに実質賃金が追い付かず、外貨建て資産を保有する重要性が高まっているのは事実です。すでにキャピタルフライト的な見解も正当化されつつあります。上記①②を確認するのはファンダ分析になります。詳しくは「時短ファンダ分析」のサイトをご覧ください。
米ドル/円長期チャート
2011.10 | 東日本大震災後 | 1$=75円 |
2020.03 | コロナショック後 | 1$=101円 |
ドル円の為替推移に関してはプラザ合意~現在を確認できる超長期チャートと東日本大震災後~現在を確認できる長期チャートの2種類を用意しています。超長期チャートで1米ドル75円~230円の大きなレンジの中でどれくらいに位置しているのかを確認するとともに、長期チャートで直近のトレンドが円安トレンドなのか、円高トレンドなのかを把握するのに役立ててください。
コロナショック後のインフレ退治のためアメリカはガンガン利上げを進めていきましたが、日本は金融緩和を維持し続けました。日米の金利差は拡大して円安が止まらなくなり、日銀は米ドル売りの為替介入を連発しました。
インフレが終息してきた2024年秋からアメリカは利下げに転じますが、日本は長らく続いたマイナス金利を解除して、利上げに舵を切り始めます。日米金利差は少しずつ縮まってきましたが、ドル円レートは再び155円台を突破して現在に至ります。いよいよ国力の低下が騒がれるようになってきました。
2025年にはトランプ大統領が再度就任し、対中国をはじめとして関税引き上げる政策を打ち出しています。トランプ政策では基本的にインフレ再燃してしまう事が懸念されています。今後も日米の金融政策の思惑を確認するとともに、為替の方向性には注視していく必要がありそうです。
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