『2025年はここまで下落する』とか、『この水準で買えばOK』と言っているわけではありません。『リーマンショック級の出来事が起きたら利下げ余地がどのくらいあるか』、『政策金利や期待インフレ率と現在の利回りがどのくらい乖離しているか』 といった事を把握して、今後の金融政策の方向を予め想定して準備しておくための水準把握だと思ってください。
1985.09 | プラザ合意後 | 10.15% |
2008.12 | リーマンショック後 | 2.15% |
2020.03 | コロナショック後 | 0.35% |
まず基準となるのが1985年9月のプラザ合意後の金利水準10.15%です。変動相場制に移行後は基軸通貨の米ドルが強くなりすぎました。当時の中央銀行は伝統的な金融政策を行っていて、インフレと闘いながらの金利のコントロールに苦戦していました。最終的には主要国が為替相場に協調介入することにより、少しずつ利回りは低下してきました。
次に2008年のリーマンショックです。アメリカの金融システムが崩壊しかけるようなリスクオフ相場でした。流動性を確保するためにアメリカの中央銀行FRBは金利をほぼゼロに持っていきます。アメリカ発の金融危機は世界に広がり、株は投げ売りされて景気は悪化の一途といった状態でした。そこでFRBは非伝統的な金融政策手段として量的緩和QEを始めました。量的緩和は第三弾まで行われて、ようやく景気は底打ちしてデフレ脱却に向かいました。
そして2020年3月のコロナショックです。リーマンショック時の二の舞を踏むことが無いようにFRBは早急に量的緩和に踏み切りました。ロックダウンで景気が悪化して失業率が大幅に増えたため、手当たり次第にお金をバラ撒いた状態でした。ロックダウンが解除され始めると景気は急上昇するも、物流が追い付かずにコストプッシュのインフレに陥りました。
FRBはインフレ対策としての利上げが遅れました。要するにコロナショック後のようやく回復してきた景気を再度悪化させることを恐れた状態でした。インフレ率が急上昇して、それに合わせて政策金利も0.75%刻みの利上げを繰り返しました。そして、2023年9月にFRBは利上げを打ち止めしました。そこから政策金利5%の状態が約1年続いて、2024年9月にようやく利下げに入り、現在に至ります。2025年はインフレ再燃が懸念されていて、とランプ大統領の政策が注目されています。
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