時短テクニカル(リスクオフ)

時短テクニカル

『2025年はここまで下落する』とか、『この水準で買えばOK』と言っているわけではありません。『リーマンショック級の出来事が起きたらどれくらい変動するのか』 といった事を把握して、今後の金融政策の方向を予め想定して準備しておくための水準把握だと思ってください。

VIX長期チャート

TradingView (VIX指数月足チャート)
2008.09リーマンショック96.4
2020.03コロナショック85.4
2024.08植田ショック65.7

VIX指数はリスクオフ水準の確認用に使っていきます。VIX指数は基本的に平時には20以下で推移することが多く、20以上で注意レベル、30以上で警報レベルと考えられます。VIX20にピンクの点線、VIX30にピンクの太線を引いてあるので簡単に確認できると思います。

〇〇ショックと呼ばれるような暴落局面ではVIX指数は警報レベルの30どころか50を超えるレベルになることが確認できると思います。VIXとはVolatility Index の略称で、S&P500指数を対象とするオプション取引のボラを元に算出されています。難しく考えなくても大丈夫なので、「アメリカの株価懸念が大きくなるほどVIX指数は大きくなる」と覚えておいてください。

チャートを見てもらうと分かると思いますが、VIXが30を超えた期間はそれほど長くありません。株価暴落局面では基本的には政府や中央銀行が流動性を確保するために緊急の対策を打ちます。金利を下げたり、通貨の供給量を増やしたりして、市場にお金をバラ撒くような政策を打つことが多いです。そのためVIXが30を超えた水準は多くの人が株を投げ売りしている状況ですが、バーゲンセール価格で購入するチャンスと考えることも出来ます。

2025年4月に入り、VIXは45を超えてきました。コロナショック並みの水準です。トランプ関税発動により、株式市場はリスクオフ局面に突入したと考えられます。

GOLD長期チャート

TradingView (GOLD 月足チャート)
2018.09コロナショック前1180$
2020.03コロナショック1575$
2022.02ウクライナ戦争1790$

GOLDはリスクオフ局面では買われる傾向にあります。金融クラッシュや戦争、災害、パンデミック等の危機的状況になってもゴールドの資産価値は不変的だと考えられているからです。金本位制の時代があったように通貨と同等の信用が置けると考える事もできます。地球上に埋蔵されているゴールドは残り約5万トンのようです。年間約3000トンのペースで採掘されているため、あと15年くらいで地球上から見採掘のゴールドは無くなる計算になります。今後の宇宙開発次第ですが、ゴールドの希少性もその価値を高めています。またゴールドは現物資産のため、現金と異なりインフレに負けることもありません。

コロナショック後からは①インフレ高止まり、②中央銀行のGOLD購入、③トランプ政策をはじめとしたリスクオフ懸念、といった理由でGOLDは最高値更新を続けています。

2025年4月4日現在、「トランプ関税発動ショック」と呼べるような暴落局面となっていて、ゴールドも下落しています。〇〇ショックと呼ばれる時にはゴールドも一旦大幅に売られることが過去にも確認されています。

原油長期チャート

TradingView (WTI原油 月足チャート)
2020.04コロナショック後19$
2022.02ウクライナ戦争後115$

原油はリスクオフ局面では売られる傾向にあります。平時はOPECプラスの生産目標やアメリカのシェールオイルの稼働リグ数の変化である程度の予測が出来ます。最近は脱炭素や省エネの動きもみられるため、電力供給における火力発電の比率にも注目が集まっています。

コロナショック後、世界中でロックダウンとなった時には原油先物が0ドルを割り込んでマイナスになったのも記憶に新しいところです。ウクライナ戦争とその後のインフレで急騰しましたが、現状はインフレも加味して45ドル~90ドルくらいのレンジと考えられます。このレンジを突破するような値がつけられてきたら株価に注目していきます。

2025年4月現在、原油価格は70$を明確に割り込んできています。この水準はコロナショック前の2020年1月あたりの原油価格で、コロナ後の急激なインフレ分を全て吐き出した水準です。

  • VIXは20超えから警戒。30超えから株のスポット買いを検討。
  • GOLDはリスクが高まると価格が上昇。基本的にはインフレ負けせず右肩上がり。
  • 原油はリスクが高まると価格が下落。今後のエネルギー政策全般に注視していく。

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