この記事でわかること
- 新NISAつみたて投資枠の対象商品は356本。その中からどう選ぶか
- 銘柄選びで見るべき3つの基準(これだけ押さえればOK)
- 兼業投資家の僕が厳選したおすすめ3銘柄と、それぞれが向いている人
- 「1本だけ選ぶならどれ?」への回答
- 月1万円〜10万円の積立シミュレーション
- 初心者がやりがちな銘柄選びの3つの失敗パターン
はじめに|356本の中から、あなたに合う1本を見つける方法
新NISAのつみたて投資枠で購入できる投資信託は、2026年6月時点で356本あります。
「数が多すぎて選べない…」と感じるかもしれませんが、安心してください。実は、見るべきポイントはたった3つです。この3つの基準を押さえれば、356本は一気に数本に絞り込めます。
僕(ばけっと)自身、つみたて投資枠ではeMAXIS Slim全世界株式(オルカン)1本に絞って毎月積み立てています。この記事では、なぜその選択に至ったのかを、銘柄選びの基準から順を追って説明します。
前提知識|つみたて投資枠の基本ルール
銘柄選びの前に、つみたて投資枠の基本ルールを確認しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年間投資上限 | 120万円(月10万円) |
| 非課税保有期間 | 無期限 |
| 対象商品 | 金融庁が定めた基準を満たす投資信託・ETF(356本) |
| 販売手数料 | すべて無料(ノーロード) |
| 成長投資枠との併用 | 可能(成長投資枠は別途年間240万円) |
| 生涯非課税保有限度額 | 1,800万円(成長投資枠と合算) |
ポイントは、つみたて投資枠の対象商品は金融庁が「長期・積立・分散投資に適している」と認めた商品だけに限定されている点です。つまり、356本のどれを選んでも「ハズレ」はありません。ただし、コストやリターンには差があるので、ここから先の選び方が重要になります。
銘柄選びの3つの基準|これだけ見ればOK
基準①:信託報酬(運用コスト)が安いか
信託報酬は、投資信託を保有している間ずっとかかる手数料です。年率で表示され、毎日少しずつ基準価額から差し引かれます。
長期投資では、この「毎日のコスト」が複利で効いてきます。年0.1%の差でも、20年・30年の運用では数十万円の差になることがあります。
目安: 信託報酬が年0.2%以下の商品を選びましょう。eMAXIS Slimシリーズは0.05〜0.09%台で業界最安水準です。
基準②:純資産総額が大きいか
純資産総額は、その投資信託にどれだけのお金が集まっているかを示す指標です。
純資産総額が大きい=多くの投資家に選ばれている=運用が安定している、という目安になります。逆に、純資産総額が小さすぎると「繰上償還」(ファンドの運用が打ち切られること)のリスクがあります。
目安: 純資産総額が100億円以上ある商品を選びましょう。おすすめ3銘柄はいずれも1兆円を超えています。
基準③:何に投資しているか(投資対象)
ここが最も重要な選択です。つみたて投資枠の対象商品は、大きく分けると以下の4タイプに分類できます。
| タイプ | 投資対象 | リスク・リターン | こんな人向け |
|---|---|---|---|
| 全世界株式型 | 全世界(先進国+新興国) | 中〜高 | 1本で完結させたい人 |
| 米国株式型 | 米国のみ | 高 | 米国の成長に確信がある人 |
| 先進国株式型 | 先進国(日本除く) | 中〜高 | 新興国リスクを避けたい人 |
| バランス型 | 株式+債券の混合 | 低〜中 | 値動きを抑えたい人 |
初心者にとっての現実的な選択肢は、全世界株式型・米国株式型・バランス型の3タイプです。この3つの中から自分のリスク許容度に合うものを選べばOKです。
おすすめ銘柄3選
この3つの基準を満たし、実際に多くの投資家に選ばれている銘柄を3つ紹介します。
おすすめ①:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 愛称 | オルカン |
| 連動指数 | MSCI ACWI |
| 投資対象 | 全世界約47カ国(先進国+新興国) |
| 構成銘柄数 | 約2,600〜3,000銘柄 |
| 信託報酬 | 年0.05775%以内 |
| 純資産総額 | 約12.7兆円(2026年6月時点) |
「迷ったらこれ」の大本命。 全世界の株式市場に1本で分散投資できます。米国が約60%を占めつつ、欧州・日本・新興国もカバー。世界経済の成長をまるごと取り込めるので、「どの国が伸びるかわからない」という不確実性に対する最もシンプルな解答です。
信託報酬は年0.05775%と圧倒的に低く、純資産総額は約12.7兆円と国内投資信託でトップクラス。「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」でも連続受賞しており、個人投資家からの支持は圧倒的です。
こんな人におすすめ: 投資に時間をかけたくない人、1本で完結させたい人、20年以上の長期投資を考えている人。
ばけっとの選択: 僕はこのオルカンをつみたて投資枠の100%に設定しています。FXで失敗した経験から「自分の予測を過信しない」と決めた僕にとって、全世界に分散するオルカンは最も納得感のある選択です。詳しくは オルカン vs S&P500 比較記事 をどうぞ。
おすすめ②:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 連動指数 | S&P500 |
| 投資対象 | 米国大型株約500銘柄 |
| 信託報酬 | 年0.08140%以内 |
| 純資産総額 | 約12.2兆円(2026年6月時点) |
米国経済の成長に乗りたいならこれ。 アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アマゾンなど、世界を動かす企業にまとめて投資できます。過去10年のリターンはオルカンを上回っており、「米国が最強」を信じる投資家に圧倒的な人気があります。
ただし投資対象は米国のみなので、米国経済が長期低迷した場合のリスクはオルカンより高くなります。
こんな人におすすめ: 米国の経済成長に確信がある人、過去の高リターンを重視する人、GAFAMに集中投資したい人。
おすすめ③:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投資対象 | 国内外の株式・債券・REIT(不動産)を8つの資産クラスに均等配分 |
| 信託報酬 | 年0.14300%以内 |
| 純資産総額 | 約3,400億円(2026年6月時点) |
値動きをできるだけ抑えたい人向け。 株式だけでなく、債券やREIT(不動産投資信託)にも分散するため、株式100%のオルカンやS&P500に比べて値動きがマイルドです。
その分、株式市場が好調な時のリターンは株式型より控えめになりますが、「投資で眠れなくなるのは嫌だ」「リタイアが近くてリスクを抑えたい」という方には合理的な選択です。
こんな人におすすめ: 投資で大きな値動きに耐えられない人、50代以降でリスクを抑えたい人、株式以外にも分散したい人。
3銘柄の比較まとめ
| 項目 | オルカン | S&P500 | バランス (8資産均等) |
|---|---|---|---|
| 投資対象 | 全世界株式 | 米国株式 | 株式+債券+REIT |
| 信託報酬 | 0.05775% | 0.08140% | 0.14300% |
| 純資産総額 | 約12.7兆円 | 約12.2兆円 | 約3,400億円 |
| リターン期待値 | 中〜高 | 高 | 中 |
| 値動きの大きさ | 中 | 大 | 小 |
| ほったらかし度 | ★★★★★ | ★★★★ | ★★★★★ |
| 1本で完結するか | ◎ | ○(米国のみ) | ◎ |
「1本だけ選ぶなら?」への回答
迷ったらオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)を選んでください。
理由はシンプルです。オルカンは全世界に分散しているので、「選んだ後に後悔しにくい」からです。
S&P500を選んで米国経済が低迷したら「オルカンにしておけば…」と後悔するかもしれません。でもオルカンを選んでおけば、米国が好調な時もその恩恵の6割は受けられ、他の国が伸びた時もカバーしてくれます。
「どの国が伸びるか予測できない」と認められることが、実は最も賢い投資判断だと僕は考えています。
積立シミュレーション|月いくらでどれだけ増える?
つみたて投資枠で毎月積立した場合、将来どれくらいの資産になるかのシミュレーションです。
| 月額 | 10年後 | 20年後 | 30年後 |
|---|---|---|---|
| 月1万円 | 約155万円 | 約411万円 | 約832万円 |
| 月3万円 | 約465万円 | 約1,233万円 | 約2,497万円 |
| 月5万円 | 約776万円 | 約2,055万円 | 約4,161万円 |
| 月10万円 | 約1,553万円 | 約4,110万円 | 約8,322万円 |
※年利5%で複利運用した場合の概算値。将来のリターンを保証するものではありません。元本割れのリスクがあります。
注目してほしいのは、20年→30年の伸び方です。月3万円の積立でも、20年目の約1,233万円が30年目には約2,497万円と倍以上に。これが複利の力であり、「長く続けること」が最も重要だという理由です。
ばけっとのコメント: 僕は月10万円(つみたて投資枠の上限)をオルカンに積み立てていますが、最初は月1万円からスタートしました。無理のない金額で始めて、慣れてきたら増やすのが長続きのコツです。金額は後からいつでも変更できます。
初心者がやりがちな3つの失敗パターン
失敗①:複数の似た銘柄に分散してしまう
「オルカンとS&P500を50%ずつ」という組み合わせをよく見かけますが、これはあまり意味がありません。オルカンの約60%はすでに米国株なので、S&P500と組み合わせると米国比率が約80%に上がるだけです。
対策: 基本は1本に絞る。どうしても2本にしたいなら、「株式型+バランス型」のように値動きの性質が違うものを組み合わせましょう。
失敗②:ランキング上位の銘柄を深く考えずに買う
証券会社のランキングで上位にある銘柄が必ずしも自分に合っているとは限りません。ランキングは「売れている順」であって「あなたに最適な順」ではありません。
特に、テーマ型ファンド(AI関連、半導体関連など)がランキング上位に入っている場合は注意が必要です。テーマ型は信託報酬が高く、特定セクターに集中するためリスクが大きいです。
対策: この記事で紹介した3つの基準(信託報酬・純資産総額・投資対象)で自分で判断する。
失敗③:相場が下がった時に積立をやめてしまう
これが最も深刻な失敗です。株価が下がると怖くなって積立を止めたり、売却してしまう人がいます。でも、積立投資において下落相場は「安く多く買えるチャンス」です。
下落時に積立を続けた人と止めた人では、10年後・20年後のリターンに大きな差がつきます。
対策: 積立設定したら、基準価額を毎日チェックしない。月1回、残高確認する程度でOK。相場のことが気になりすぎるなら、バランス型を選んで値動きを抑えるのも一つの手です。
ばけっとの体験: 僕はFXで給料2年分を失った過去があります(体験談はこちら)。あの時の最大の失敗は、損失を取り返そうとして感情的にトレードしたこと。インデックス積立投資の最大のメリットは、感情を排除できることです。設定したら、あとは放置するだけ。
よくある質問(Q&A)
Q. つみたて投資枠は何銘柄買えばいい?
A. 1本で十分です。 オルカンやS&P500のようなインデックスファンドは、それ自体が数百〜数千銘柄に分散投資しています。銘柄数を増やしても、分散効果はほとんど変わりません。管理がシンプルな1本の方が長続きします。
Q. つみたて投資枠と成長投資枠、どちらを先に使うべき?
A. つみたて投資枠から使いましょう。 つみたて投資枠の対象商品は金融庁の基準を満たした「ハズレのない」商品に限定されています。まずはつみたて投資枠の年間120万円を使い切り、余裕があれば成長投資枠で追加するのが王道です。
Q. アクティブファンドは選ばない方がいい?
A. 初心者にはインデックスファンドをおすすめします。 アクティブファンドは運用のプロが銘柄を選定して運用しますが、信託報酬が高く(年1%前後)、長期で見るとインデックスファンドに勝てないケースが多いことがデータで示されています。
Q. 途中で銘柄を変更できる?
A. いつでも変更できます。 積立設定の変更は証券会社のマイページから可能です。ただし、頻繁に銘柄を変えるのはおすすめしません。「隣の芝生は青い」現象で、結果的にリターンを下げることが多いです。
Q. eMAXIS Slimシリーズ以外にもおすすめはある?
A. あります。 たとえば「たわらノーロード」シリーズや「SBI・V」シリーズも低コストで優秀です。ただし、eMAXIS Slimシリーズは「業界最低水準の運用コストをめざし続ける」と公言しており、将来的なコスト競争力で安心感があります。
Q. 月いくらから始められる?
A. SBI証券なら100円から積立できます。 ただし、資産形成の効果を実感するには月1万円以上がおすすめ。最初は少額で始めて、慣れてきたら増額する方法が長続きします。
次のステップ
銘柄が決まったら、あとは実際に積立設定をするだけです。
まだSBI証券の口座を持っていない方 → SBI証券は手数料無料+クレカ積立でポイントも貯まるので、NISA口座に最もおすすめの証券会社です。
クレカ積立でポイントも貯めたい方 → 三井住友カード(Olive)でのクレカ積立設定と、ポイント最大化の2枚持ち戦略を解説しています。 Oliveゴールド × SBI証券クレカ積立でVポイントを最大化する方法
オルカンとS&P500で迷っている方 → 7つの観点で徹底比較した記事で、自分に合う方を見つけてください。 【徹底比較】オルカン vs S&P500、どっちを積み立てるべき?
投資で失敗したくない方 → 僕がFXで大きな損失を出し、そこからインデックス投資にたどり着くまでの実体験。 【実体験】FXで給料2年分を失った僕が、インデックス投資にたどり着くまで
まとめ
新NISAつみたて投資枠の銘柄選びは、3つの基準で十分です。
- 信託報酬が安い(年0.2%以下)
- 純資産総額が大きい(100億円以上)
- 自分のリスク許容度に合った投資対象を選ぶ
この基準で絞り込むと、実質的な選択肢は以下の3パターンになります。
| パターン | 銘柄 | 一言で言うと |
|---|---|---|
| 迷ったらこれ | eMAXIS Slim 全世界株式 (オルカン) | 全世界に分散。 ほったらかし最強 |
| 米国に集中 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 過去リターン重視。 米国一本 |
| リスク控えめ | eMAXIS Slim バランス (8資産均等型) | 株式+債券+REIT。 値動きマイルド |
最も大事なのは「何を買うか」ではなく「買ったものを続けること」です。 銘柄選びに完璧な正解はありませんが、上記3銘柄のどれを選んでも、長期で積立を続ければ十分に合理的な資産形成ができます。
まずは1本選んで、今月から積立を始めましょう。
※この記事は2026年7月時点の情報に基づいています。信託報酬・純資産総額等は変動する場合があります。
※特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。


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