『2026年はここまで動く』とか、『この水準で買えばOK』と言っているわけではありません。『リスクオフ要因が起こった場合どれくらい変動するか』、『米ドルが買われているのか、日本円が売られているのか、その両方なのか』といった事を自分の頭で考えて整理して、今後のトレンドを予め想定して準備しておくための水準把握だと思ってください。「いつボラが高まるか」は分からないケド、「いつかボラが高まる」ことは確実です。
米ドル/円超長期チャート

TradingView(米ドル/円 6ヶ月足チャート)
| 1985.09 | プラザ合意前 | 1$=235円 |
|---|---|---|
| 2011.10 | 東日本大震災後 | 1$=75円 |
| 2020.03 | コロナショック後 | 1$=101円 |
ばけっと投資では、外国為替の水準確認は米ドル/円で確認していきます。世界の基軸通貨は米ドルであり、コア戦略を取っている全世界株式も、サテライト戦略の米国高配当株も米国債券ETFも、ビットコインも主に米ドル建て計算による影響が大きいからです。超長期チャートから確認できるように、外国為替は右肩上がりの指数とは異なります。
まず基準となるのが1985年9月のプラザ合意前の水準1米ドル235円です。変動相場制に移行後、このプラザ合意による主要国による協調介入によってドル安方向に是正されていきました。ドル円レートがいちばん円高に振れたのが2011年10月の東日本大震災後の1米ドル75.3円です。直近で大きく円高に振れていたのが2020年3月のコロナショック後の1米ドル101.18円です。このころまでは「リスクオフの円買い」と呼ばれていましたが、最近ではロシア-ウクライナ戦争や米中貿易対立、中東情勢の緊張が高まっても円安が止まりません。
為替を動かす要因として注目されているのが、①インフレ率に対して金利が低い状態が続き、円を持つこと自体が実質的な資産の目減りにつながりやすい点、②財政拡張や輸入に伴う強いドル買い需要で、これらが円安圧力を強める要因になっています。すでにキャピタルフライト的な見解も正当化されつつあり、外貨建て資産を保有する重要性が高まっているのは事実です。
米ドル/円長期チャート

TradingView(米ドル/円 月足チャート)
| 2011.10 | 東日本大震災後 | 1$=75円 |
|---|---|---|
| 2020.03 | コロナショック後 | 1$=101円 |
日銀は7月31日の金融政策決定会合で政策金利を1.00%に据え置くことを決定しました。6月16日の0.25%利上げ(約31年ぶりの1%台到達)から間もないこともあり、今回は影響を見極める判断です。一方FRBは7月29日のFOMCで政策金利を3.50〜3.75%に据え置き(5会合連続、9対3の賛成多数)、3人の理事が利上げを主張するなど、原油高由来のインフレ警戒からタカ派色を強めています。
日米金利差が改めて意識される中、ドル円は7月2日に一時160円台半ばまで上昇して介入警戒が高まり、7月30日夜には政府・日銀による円買い介入が実施されました(円は一時5円上昇)。しかし翌31日には早くも160円台へ押し戻され、その後は157円台まで軟化するなど、介入後も方向感の定まらない荒い値動きが続いています。
先月想定した通り、単発の介入や小幅な利上げでは実質金利のマイナス状態は解消されず、円高材料としては力不足です。円安トレンドの転換には日銀の大幅な利上げ加速かFRBの積極的な利下げ再開が必要ですが、FRBはむしろ利上げ方向を意識しており、当面は円安基調・介入警戒が共存する神経質な相場が続きそうです。
- 今後の為替は円安-円高どちらに振れていくのかは確定できないものと考えるようにする。
- 超長期チャートでは、現在の水準が過去の何年何月と同水準くらいなのかを確認する。
- 長期チャートでは、現在のトレンドが円高傾向なのか、円安傾向なのかを確認する。
- 為替介入は一時的な円高要因にとどまりやすく(7月30日の介入も数日で巻き戻し)、大きな円安トレンドを変えるものではないと理解しておく。


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